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2011年3月16日 (水)

震災報道で改めて思ったこと → 「安心」と「安全」は違う

事故やトラブルの防止策を考えるとき、「安心」と「安全」を区別して考えると効果的です。
今回の震災でも感じたことですが、たとえば次の2つの報道を聞いて、「安心」と「安全」の違いを意識しました。

●1「首都圏のみなさん、食料は十分ありますから買いだめしないでください」
●2「本日の福島の放射線の量は、1時間あたり24マイクロシーベルトです。すぐに影響が出る値ではありませんので、ご安心ください」

まず、「安全」と「安心」の違いは何でしょうか?
違いを説明するのはちょっと難しいですし、考え方の違いによってその答えも変わると思いますが、個人的に以前学んだことを書きますと、
「安全」は、リスクが無視できるほど小さい状態。その基準は客観的、科学的、定量的であり、誰に対しても当てはまるもの。
「安心」は、心が和める状態に保たれること。主観的、心理的な基準によるものであるため、人によって基準が違う。
というものです。

この前提で、この2つの状況を考えてみます。


●1「首都圏のみなさん、食料は十分ありますから買いだめしないでください」

このような言葉をかけるでは、買いだめはなくならないでしょう。
なぜなら、「安心」できないからです。
食料は十分にあるといわれても、本当かどうか定かではありません。定量的、科学的な「安全」を感じられないので、人々は不安になるのです。
お店に行って食料がなく、その状態が続いている現状は、どう考えても「安全」な状況ではありません。
だからその不安を解消するため、買いだめをするのです。実際に手元に食料があることで「安心」でき、問題が解決されるのです。

「買いだめをするな」というからには、人々が納得できる証拠を持って説明しなければなりません。
できれば国は、大丈夫という掛け声だけではなく、その根拠、具体策を示してもらいたいものです。買いだめしなくても「安心」できるなら、人々は買いだめをしなくなるでしょう。
しかし、そのような根拠を示すのは、なかなか難しいのが実情ですね。難しい問題です。

●2「本日の福島の放射線の量は、1時間あたり24マイクロシーベルトです。すぐに影響が出る値ではありませんので、ご安心ください」

24マイクロシーベルトといわれて大丈夫なのか、一般の人はなかなかわかりません。不安になります。
ただ「大丈夫」というだけでは人々は安心できませんので、その根拠となる情報を出しています。
レントゲンをとるとどれくらい放射線を浴びるのか、どれくらい浴びると体が不調になるのか、科学的根拠を示しています。
だから人々を「安心」させるため、このような報道をするのです。こういうニュースで、多くの人は「安心」しているのです。

一方、放射線に詳しい人は「安心です」という報道に、やや疑問に思っているようです。それは、以下の理由によります。
人が1年間に浴びてもよいとされる「安全」な放射線量は、1000マイクロシーベルトとされています。
平常時の基準は1時間あたり0.1マイクロシーベルトとされているので、24時間365日浴び続けても876マイクロシーベルトであり、上記の制限内に収まるため「安全」と公表されているのです。
ところで、福島市は、原発から30km以上距離が離れており、屋内退避の範囲ではありません。
福島市は24マイクロシーベルトと測定結果がありましたので、割り算すると42時間浴びることで、1年間の制限値を越えることになります。
たった42時間という短さに危機感を持っている人が、この報道を疑問視しています。こういう人たちは「安心」できないのです。

ちなみに、官房長官が昨日か今日、300マイクロシーベルトくらいの値に対して、こんなこと言ってました。
「この放射線量はただちに影響を及ぼすような数値ではない。ただ、24時間365日浴びるとどうなるかはわからないが・・・」

なんか、説明が長くなった・・・
「安心」と「安全」の違いに関する内容でしたが、仕事でもプライベートでも使えることもあり、キヨも日ごろ意識しています。
交通事故防止や振り込めさぎの防止など、具体的な応用例はたくさんあります。
トラブルや事故から身を守るとき、詐欺師を見抜くとき、人々の行動を分析するときに、さらにはこれらの問題を解決するとき、「安心」と「安全」を区別して考えると効果的なことがあります。

最後に・・・
キヨが今回の原発事故に対してまったく「安心」できないのは、自身が大丈夫と感じられる「安全」なところがまったく見えていないからです。
皆さんはいかがでしょうか? この問題が早く解決することを祈っています。

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