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2012年12月 6日 (木)

国民年金にある3種類の全額免除制度の違い

2012年9月に行われたFP技能士試験の問題の中から、受験者が間違えやすい問題、知識を整理していないと答えづらい問題、難問と判断した問題などを中心に解説しています。

市販FPテキストの6分野の順に問題の解説をしていきます。今回は「ライフプランニングと資金計画」の分野の解説をしています。

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2012年9月 FP技能士2級 学科試験 問5より

国民年金の保険料免除制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

3.第1号被保険者で一定の大学等の学生は、年齢および本人の所得にかかわらず、学生納付特例の適用を受けることができる。
4.学生を除く30歳未満の第1号被保険者は、本人および配偶者の前年の所得がそれぞれ一定金額以下の場合、同居の世帯主の所得にかかわらず、若年者納付猶予の対象となる。

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この選択肢の解説の前に・・・

国民年金には、全額納付免除制度として、次の3つの制度があります。
・申請による全額免除
・若年者納付猶予制度
・学生納付特例制度
これらの免除制度の違いを正確に理解できていれば、本選択肢には簡単に答えられます。
これらの免除制度の違いを下記のとおりまとめていますので、整理して理解していきましょう。


■適用対象年齢
若年者納付猶予制度:30歳未満の人のみ適用可能。
学生納付特例制度:全年齢で適用可能。ただし大学、短大、高校の学生であること。学校は夜間、定時制、通信制でも認められる。
全額免除制度:全年齢で適用可能

■所得要件
若年者納付猶予制度:本人の所得と配偶者の所得が、いずれも「(扶養家族人数+1)×35万円+22万円」未満であること
学生納付特例制度:本人の所得が、「扶養家族人数×38万円+118万円+社会保険料控除の額」 未満であること
全額免除制度:本人の所得、配偶者の所得、申請者世帯の世帯主の所得が、いずれも「(扶養家族人数+1)×35万円+22万円」未満であること

※誰の所得が対象なのかという点と、上記計算式に35万円と38万円が混在して点に、注意すること。

■受給する年金額への反映
若年者納付猶予制度:まったく反映されない。
学生納付特例制度:まったく反映されない。
全額免除制度:2分の1の額が反映される。

※いずれも10年以内に追納することで、本来の年金額が反映されます。

■申請の頻度
若年者納付猶予制度:原則として毎年申請を行う必要があるが、あらかじめ希望すれば翌年以降の申請は不要。
学生納付特例制度:適用を受けるには、毎年必ず申請を行う必要がある。
全額免除制度:原則として毎年申請を行う必要があるが、あらかじめ希望すれば翌年以降の申請は不要。

※上記はあくまでも申請に関するものであり、これらの免除特例が適用されるかどうかの審査は毎年行われます。

■適用の順序
学生納付特例制度を適用できる要件を満たしている場合、若年者納付猶予制度と全額免除制度のいずれも適用を受けることはできません。
よって被保険者本人が学生の場合には、この3つのうち学生納付特例制度しか適用を受けられないのです。

以上の内容を踏まえると、選択肢3は不適切です。学生納付特例の適用を受けるには、学生本人の所得が「扶養家族人数×38万円+118万円+社会保険料控除の額」未満でなければならないという、所得の要件があります。なお、学生納付特例には年齢の要件は存在しません。
選択肢4の内容は適切です。若年者納付猶予の場合は、配偶者にも所得要件が存在する点を理解しておきましょう。

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