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2014年5月14日 (水)

[3級&2級試験解説] 相続税の取得費加算についての出題

本日は、2014年1月のFP技能士試験の過去問を解説いたします。
(中でも、多くの受験者が間違えやすい問題、試験対策テキストの記述が不足
している点に重点を置いて解説しています)

皆様のために、ややこしい内容も、分かりやすく解説していきます。
これを読んで、レベルアップしていきましょう!

===================

2014年1月 FP技能士3級 学科 問55より

相続により取得した土地の譲渡について,いわゆる相続財産を譲渡した場合の相続税の取得費加算の特例の適用を受ける場合,当該土地を相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後(   )を経過する日までに譲渡していることが要件の1つとなる。
1) 3年
2) 5年
3) 10年

 

正解の選択肢は1です。

 

2014年1月 FP技能士2級 学科 問59より

4.相続により取得した不動産を相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売却した場合、相続財産に係る譲渡所得の課税の特例により取得費に相続税額のうちの一定の金額を加算することができるため、相続開始前に売却するよりも税引後の手取り金額が増える場合がある。

 

この選択肢は適切です。

 

いずれも、いわゆる「相続税の取得費加算」と呼ばれる特例についての問題です。

これは、所得税(譲渡所得)と相続税にまたがる、税の取り扱いに関する特例です。

相続税の取得費加算については、2級で過去2回ほどしか出題されていない内容です。解説のないテキストもありますので、知らない人も多かったかと思います。
実はこの特例は、将来に法改正が行われることになっており、この取得費加算の扱いが今後変わります。そのため今、相続対策の現場では注目度が高い特例です。
(以下では、現行法に基づく取得費加算について記載しています)

 

上記問題文にもある通り、この特例は、相続した土地を売却するときに発生する譲渡所得を減らす効果があります。
なぜなら、支払った相続税のうち一定額を取得費に加算できるためです。
譲渡所得は、下記の計算式で算出することを、まずは思い出してください。

譲渡所得 = 収入金額 - 取得費 - 譲渡費用

 

なぜこのような特例があるのかというと・・・

思いがけない相続により、相続税が発生したとします。そこで、相続税支払いのために土地を売却したところ、その譲渡所得に対してさらに所得税が発生します。税を払うために税が発生するという、いわば2重課税のような状態になります。これに配慮して、譲渡による所得税を減らしてあげる特例だと考えてください。

ですので、相続税の一定額を取得費に加算して、所得税の減税効果が生まれるよう配慮された特例なのです。

上記2級の問題文を解釈すると、相続開始前(つまり被相続人の生前)に売却するより、相続開始後(つまり被相続人の死後)に不動産を売却したほうが、節税になるということです。(売却価格が同じであれば、という条件付き)

不動産が絡む相続対策の現場においては、この取得費加算を考慮に入れて対策を検討することもあります。
こういう特例があるのだということも、覚えておきましょう。

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